この記事のポイント
- 留学生が卒業後に会社で働くには、在留資格を「留学」から就労できる在留資格へ変更する許可が必要です。申請は本人が行います。
- 4月入社の場合、出入国在留管理庁は12月1日から1月末までの申請を求めています。
- 主な在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。専門的な業務であること、専攻との関連、日本人と同等額以上の報酬などが求められます。
- 日本の大学などを卒業し、日本語能力試験N1相当の日本語力がある方は、「特定活動(46号)」で、接客や現場の業務を含む幅広い業務に就くことができます。
- 卒業後も就職活動を続ける方や、卒業から入社まで期間がある内定者には、それぞれ「特定活動」の制度があります。
留学生の採用で使われる主な在留資格
| 在留資格 | どんな方・どんな仕事か | 主な要件 |
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 専門的な知識を必要とする業務(技術開発、営業、企画、通訳・翻訳など) | 専攻との関連、日本人と同等額以上の報酬など |
| 特定活動(46号・本邦大学等卒業者) | 日本の大学などで学んだことと、高い日本語能力を活かして、幅広い業務に従事 | 日本の大学卒業など、日本語能力試験N1相当、常勤、日本人と同等額以上の報酬など |
| 特定活動(継続就職活動) | 卒業後も就職活動を続ける方 | 卒業前から引き続き就職活動をしていること、学校の推薦状など |
| 特定活動(内定者) | 内定後、採用時期まで日本に滞在する方 | 内定後1年以内・卒業後1年6月以内に採用されることなど |
申請の時期(4月入社の場合)
- 例年、1月から3月にかけて、4月から働くための申請が多く提出されるため、書類がそろっていない場合や申請が遅れた場合は、希望日までに審査が終わらない可能性があるとされています。
- そのため、4月からの就労を希望する場合は、12月1日から1月末までの間に申請するよう求められています。
- 申請は卒業見込み証明書で受け付けられ、許可の時には卒業証明書が必要です。
- 審査が終わった通知が卒業前に届いても、新しい在留カードの受取りは、卒業証明書を受け取った後になります。
内定から入社までの流れは、留学生を新卒で採用するときの確認表で、時期ごとに確認できます。
「技術・人文知識・国際業務」で採用する場合
在留資格の変更は、行おうとする活動が在留資格に当たるか、上陸基準省令に適合するか、これまでの在留状況などのすべてを総合的に考慮して審査されます。
- 仕事の内容:学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする業務であることが必要です。
- 専攻との関連:業務に必要な技術・知識に関連する科目を専攻して卒業していることが必要です。大学の場合は関連性を柔軟に判断し、専修学校の場合は原則として相当程度の関連性が必要です。
- 報酬:日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であることが必要です。
詳しくは技人国でできる仕事・できない仕事をご覧ください。
書類の省略(2025年12月1日から)
「留学」から「技術・人文知識・国際業務」または「研究」への変更では、日本の大学(大学院・短期大学を含む)を卒業(予定)の方などについて、所属機関のカテゴリーによる省略に加えて提出書類を省略できます。派遣形態での雇用は対象外です。
「特定活動(46号)」で採用する場合
日本の大学などを卒業し、高い日本語能力を持つ方が、学んだことと日本語能力を活かして幅広い業務に従事することを認める制度です。「技術・人文知識・国際業務」では、一般的なサービス業務や製造業務などが主な活動になるものは認められませんが、この制度では、要件を満たせばこれらの活動も可能です。
対象となる方
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 学歴 | 日本の大学卒業・大学院修了、短期大学・高等専門学校の卒業者で学士の学位を得た方、文部科学大臣の認定を受けた専修学校の専門課程を修了し高度専門士の称号を得た方。外国の大学の卒業者は対象外です |
| 日本語 | 日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上(大学などで「日本語」を専攻して卒業した方は、これを満たすものとして扱われます) |
| 留学中でない方 | 日本の大学を卒業後に帰国した方や、他の就労資格で働いていた方も対象になります |
認められる仕事の例(ガイドラインより)
| 例 | 認められない例 |
|---|---|
| 飲食店で、店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行う(日本人への接客も可能) | 厨房での皿洗いや清掃にのみ従事する |
| 工場のラインで、日本人従業員の作業指示を外国人従業員に外国語で伝達・指導しながら、自らもラインに入る | ラインで指示された作業にのみ従事する |
| 小売店で、仕入れ、商品企画や、通訳を兼ねた接客販売を行う | 商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事する |
| ホテル・旅館で、外国語のホームページの更新などの広報や、通訳を兼ねた接客を行う | 客室の清掃にのみ従事する |
| 介護施設で、外国人従業員への指導を行いながら、日本語を用いて介護業務に従事する | 施設内の清掃や衣服の洗濯にのみ従事する |
仕事の内容には、「技術・人文知識・国際業務」の対象となるような一定水準以上の業務(商品企画、技術開発、営業、管理業務、広報など)が含まれているか、今後従事することが見込まれることが必要です。また、単に作業指示を理解して作業するだけでなく、他者との双方向のコミュニケーションを要する業務であることが求められます。
企業が注意すること
- 常勤のみ:フルタイムの職員としての勤務に限られ、短時間のパートタイムやアルバイトは対象になりません。
- 派遣は不可:契約した機関の業務に従事する活動のみが認められ、派遣社員として派遣先で働くことはできません。
- 転職のときは変更申請が必要:指定書に勤務先の機関名が記載されるため、転職などで契約の相手方が変わる場合は、在留資格変更許可申請が必要です。同じ法人内の異動や配置換えでは不要です。
- 報酬:日本人の大学卒業者などの賃金を参考に、昇給面も含めて日本人と同等額以上かが判断されます。
- 在留期間:原則として、「留学」からの変更時と初回の更新時に決定される在留期間は1年です。
- 社会保険の加入状況なども、必要に応じて確認が求められます。
卒業後も就職活動を続ける方(特定活動)
日本の大学などを卒業した留学生が、卒業前から引き続き行っている就職活動を続けるために、「特定活動」で在留できる制度があります。
| 対象 | 主な条件 |
|---|---|
| 大学(短期大学・大学院を含む)・高等専門学校の卒業者 | 別科生、聴講生、科目等履修生、研究生は含みません |
| 専修学校の専門課程の卒業者 | 専門士の称号を取得し、学んだ内容が就労の在留資格に当たる活動と関連があると認められること |
| 日本語教育機関の卒業者 | 海外の大学・大学院を卒業・修了した方のみ |
- 申請には、直前まで在籍していた学校による継続就職活動についての推薦状などが必要です。
- 卒業前でも、推薦状や卒業見込み証明書などがあれば申請できます。
就職活動中に内定した方も、次の「内定者」の制度の対象になります。
卒業から入社まで期間がある内定者(特定活動)
大学や専門学校の在学中、または卒業後の就職活動中に内定し、採用までの間日本に滞在したい場合は、一定の要件を満たせば、採用時期までの滞在を目的とした「特定活動」への変更が認められます。
- 内定後1年以内で、かつ、卒業後1年6月以内に採用されること
- 企業での活動が、「技術・人文知識・国際業務」など就労の在留資格への変更が見込まれること
- 内定者と一定期間ごとに連絡をとること、内定を取り消した場合は遅滞なく地方出入国在留管理局に連絡することを、内定先の企業が誓約すること
この「特定活動」の方は、一定の要件を満たせば、資格外活動許可を受けて週28時間以内のアルバイトができ、内定先でのインターンシップなどの場合は、週28時間を超える許可を受けることも可能です。
留学中のアルバイトにも注意
留学生のアルバイトは、資格外活動許可を受けて週28時間以内(教育機関の長期休業期間は1日8時間以内)です。「特定活動(46号)」のガイドラインでも、資格外活動許可の条件に違反して恒常的に週28時間を超えてアルバイトをしていた場合は、素行が善良であるとはみなされないとされています。在学中から自社でアルバイトをしている留学生を採用する場合は、勤務時間の記録も確認しておきます。
アルバイトの管理は留学生・家族滞在の方をアルバイトで雇うときの確認表、インターンシップや個別許可は資格外活動許可とは?(包括許可・個別許可・インターンシップ)をご覧ください。
入社後の届出
- 会社:外国人雇用状況の届出をハローワークに行います。留学生のアルバイトも届出の対象です。詳しくは外国人雇用状況の届出とはをご覧ください。
- 本人:「技術・人文知識・国際業務」などの方は、会社との新たな契約を結んだときに、14日以内に本人が出入国在留管理庁へ届け出ます。
企業が採用前に確認すること
※ここからは、上記の公式資料をもとにした当サイトの分析です。
- 任せる業務を書き出す:専門的な業務が中心なら「技術・人文知識・国際業務」、接客や現場の業務を含み日本語でのやり取りが中心なら「特定活動(46号)」が候補になります。
- 学歴と日本語能力を確認する:卒業(予定)の学校が日本の学校か、専攻は何か、日本語能力試験N1などの証明があるかを確認します。
- 報酬を決める:同じ時期に採用する日本人の新卒社員と比べて、同等額以上かを確認します。
- 入社時期から逆算する:4月入社なら12月から1月末の申請に間に合うよう、会社が用意する書類を準備します。
- アルバイトの状況を確認する:在学中のアルバイトが週28時間以内だったかを、本人に確認します。
採用から退職までの手続きの全体像は、外国人雇用の基本ガイドにまとめています。個別の事情で許可されるかどうかは、地方出入国在留管理官署または専門家にご相談ください。
参照資料
- 出入国在留管理庁「留学生の就職」
- 出入国在留管理庁「在留資格「留学」から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ」
- 出入国在留管理庁「「留学」から就労資格への変更手続の流れ」(PDF)
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
- 出入国在留管理庁「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」(最終改定令和8年4月)(PDF)
- 出入国在留管理庁「留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン」(令和8年4月改定・PDF)
- 出入国在留管理庁「「特定活動(告示第46号)」概要」(PDF)
- 出入国在留管理庁「本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合」
- 出入国在留管理庁「大学等の在学中又は卒業後に就職先が内定し採用までの滞在をご希望のみなさまへ」
- 出入国在留管理庁「「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について」
- 厚生労働省「外国人雇用状況届出Q&A」(PDF)
- 出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」
最終確認日: 2026-10-24
