外国人雇用の基本ガイド|採用から退職までの手続き・注意点【企業向け】

この記事のポイント

外国人を雇用するときに会社が関わる手続きと確認事項を、採用前・入社時・在籍中・退職時の流れに沿って整理しました。各段階の詳しい解説と、社内でそのまま使える確認表へのリンクを付けています。

段階 会社が行うこと 詳しい解説・確認表
採用前 在留カードで就労できるか・担当業務が在留資格の範囲内かを確認 在留カードの確認方法/採用時の確認表/新卒留学生の確認表/アルバイトの確認表
入社時 外国人雇用状況の届出(ハローワーク)、本人の届出の案内 雇用に伴う届出の確認表
在籍中 在留期限の管理と更新の準備、永住申請の相談への対応 在留期限の管理表/永住申請の案内の確認表
制度の変更 2027年4月1日に重なる制度変更への備え 育成就労制度/永住許可ガイドライン改定
退職時 離職の届出、本人の届出の案内 退職時の確認表/雇用に伴う届出の確認表

1. 採用前:働ける人か、担当業務が認められるかを確認する

採用する人がどこにいるかで、手続きが変わります

状況 主な手続き 申請する人
海外にいる人を呼ぶ 在留資格認定証明書交付申請(入国前に、日本で行う活動が在留資格に該当することなどを証明する申請) 本人のほか、受け入れようとする機関の職員などの代理人
日本にいる人(留学生など)が別の在留資格に変える 在留資格変更許可申請 本人(会社の職員が申請等取次者の承認を受けている場合などは取次ぎが可能)
すでに就労できる在留資格を持つ人を採用する 在留カードで就労の可否を確認(転職の場合は担当業務が在留資格の範囲内かも確認) ―
  • 在留資格認定証明書は、交付を受けたあと、在外公館での査証申請や上陸申請の際に提出・提示することで、速やかに査証の発給や上陸許可を受けることができます。入国までに交付を受けられるよう、余裕をもって申請します。
  • 在留資格の変更は、変更の事由が生じたときから在留期間の満了日までに申請します。留学生を採用する場合の在留資格と時期は、留学生を採用するときの手続きと時期と留学生を新卒で採用するときの確認表をご覧ください。

在留カードの確認

在留カードの表面の「就労制限の有無」欄と、裏面の「資格外活動許可欄」を確認します。「就労不可」の場合は原則として雇用できませんが、資格外活動許可の記載があれば、就労時間や就労場所の制限のもとで就労できます。

2026年6月14日からは新様式の在留カードの交付が始まり、券面の記載事項が変わっています。確認の手順と、確認サイト・読取アプリの使い方は、在留カードの確認方法(企業向け)で詳しく解説しています。

不法就労にあたる3つのケース

出入国在留管理庁は、不法就労となる場合として次の3つを挙げています。採用前の確認は、これを防ぐためのものです。

  1. 不法滞在者や被退去強制者が働くケース
  2. 出入国在留管理庁から働く許可を受けていないのに働くケース
  3. 出入国在留管理庁から認められた範囲を超えて働くケース

雇用しようとする外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していない等の過失がある場合には、処罰を免れないとされています。

2. 入社時:届出を行う

外国人雇用状況の届出(ハローワーク)

外国人の雇入れと離職の際に、全ての事業主が届け出る必要があります(在留資格「外交」「公用」の方と特別永住者を除く)。届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合は、30万円以下の罰金の対象となります。

区分 期限
雇用保険の被保険者となる外国人 雇入れ:翌月10日まで(雇用保険被保険者資格取得届の提出で届出をしたことになります)
雇用保険の被保険者とならない外国人 雇入れ・離職とも:翌月末日まで(外国人雇用状況届出書)

ハローワークへの外国人雇用状況の届出が義務付けられている会社は、出入国在留管理庁への「中長期在留者の受入れに関する届出」の対象から除かれています。

本人が行う届出を案内する

「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格の方は、会社と新たに契約したときなどに、14日以内に本人が出入国在留管理庁へ届け出る必要があります。入社の手続きの際に会社から案内すると、届出漏れを防げます。

期限と方法の一覧は、雇用に伴う届出の確認表をご覧ください。

3. 在籍中:在留期限を管理する

  • 在留期間の更新は、6か月以上の在留期間がある方は、満了する3か月前から申請できます。
  • 在留期間内での許可を希望する場合は、満了する3か月前から45日前までの申請に努めるよう求められています。
  • 申請していれば、満了日までに結果が出ない場合でも、一定の期間(特例期間)は従前の在留資格で在留し、活動を続けることができます。

社員ごとの満了日と更新の時期は、在留期限の管理表で管理できます。会社が用意する書類と、2026年10月からの手数料は在留期間の更新で会社が用意する書類と時期(2026年10月の手数料改定対応)をご覧ください。新様式の在留カードでは券面に在留期間(年数)が記載されないため、満了日で管理するのが確実です。

永住申請の相談を受けたら

令和8年10月1日付けで「永住許可に関するガイドライン」が改定され、令和9年4月1日以降の申請から適用されます。社会保険や税の支払状況、在留資格の経歴、海外出張の期間など、会社の手続きや人事が関わる点もあります。永住許可ガイドライン改定の解説と、永住申請の案内の確認表をご覧ください。

4. 2027年4月1日に重なる制度の変更

制度 内容 詳しくは
育成就労制度 技能実習制度を発展的に解消し、令和9年4月1日から運用開始 育成就労制度とは?
永住許可ガイドライン 改定後のガイドラインを、令和9年4月1日以降の申請から適用 永住許可ガイドライン改定

これから施行される制度変更と残り日数は、トップページの施行カウントダウンでも確認できます。

5. 退職時:離職の届出を行う

  • 外国人雇用状況の届出:離職のときも届出が必要です。雇用保険の被保険者は離職の翌日から起算して10日以内(資格喪失届の提出)、被保険者でない方は翌月末日までです。
  • 本人の届出の案内:会社との契約が終了したときも、本人が14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る必要があります。退職の手続きの際に案内します。

健康保険の資格確認書の回収や、帰国する方への脱退一時金の説明までまとめた外国人社員が退職するときの確認表もご利用ください。

社内の体制づくりのポイント

※ここからは、上記の公式資料をもとにした当サイトの分析です。

  1. 担当者と手順を決める:採用時の在留カード確認、入社・退職時の届出、在留期限の管理を、誰がいつ行うかを決め、確認表で記録を残します。
  2. 人事と現場で情報を共有する:担当業務が在留資格の範囲内かどうかは、配属や業務内容の変更でも変わりえます。業務を変えるときは、人事に相談する流れを作っておきます。
  3. 2027年4月1日を社内の予定に入れる:育成就労制度の開始と永住許可ガイドラインの適用が重なります。受入れ計画や社員への案内を前もって準備します。
  4. 公式情報の変更を追う:外国人雇用インサイトでは、14の公式情報源を毎日確認し、制度の変更をお伝えしています。
  5. 職場定着の取組と助成金:雇用労務責任者の選任や就業規則などの多言語化には、厚生労働省の助成金があります。令和8年10月に支給額が変わっています。外国人雇用の助成金「72万円」は今も使える?をご覧ください。

個別の在留資格の判断や申請の手続きは、地方出入国在留管理官署、または専門家にご相談ください。

参照資料

最終確認日: 2026-10-24

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